出撃、防衛戦!!

ここはアークスシップ『フェオ』に内在するとあるチームルーム。その一角で今、アークス達が己の威信を懸けた真剣勝負を繰り広げていた。

「さぁ…引いてよすずしろちゃん…っ!!」
「……はい。ではこちらで。」
「…はううううっ!!!何でっ!?すずしろちゃん何で分かるのっ!?」
「あの…表情で丸分かりですが…。」
「流石はしろちゃんだね~!!」
「というより姉さん、あなた勝つ気あったんですか…?」

肩を落としたエーテルを、えくれあは横目に見つめている。一緒にババ抜きに興じていたマネージャーのすずしろと姉のくろがねもまた姉妹で勝利の喜びを共有していた。

「むむ…見える、わたしにも見えるぞ……!!エーテルちゃんの手札が…!!」
「いや、そりゃ見えるわよ、真後ろ立ってんだから…」
「でもババ抜きって面白そうだな!!オレもやってみたいぞ!!」

その周囲では、エオリア・アル・ショウの3姉妹がゲームを興味津々と言った様子で眺めている。

「マスター達、楽しそうだねぇ~!!」
「では、リアンも混ざってきてはどうです?」
「やめておけ、リアンではエーテルの二の舞だ。」

隣のテーブルには、目をきらきらと輝かせながらゲームの様子を眺めているリアンと、静かに紅茶を啜るシルファナとシャルラッハの姿があった。

「お~いえくちゃん!!美味しいシュークリーム見つけたからみんなの分買ってきたよ!!」

チームルームに入ってくるなり大声で叫びながら駆け寄ってきたのはフォンだった。

「おーっ!!ぽんちゃんありがとーっ!!」
「どういたしましてー!…ってわたしフォンですぅー!!」
「ありがとうございます、フォンさん。それでは、皆さんおやつの時間にしましょうか。」

満面の笑みのエーテルに抱きつかれたフォンを、少し憐れんだ表情で見つめたえくれあが仲間たちに呼びかける。

「しかしえくれあ、もう紅茶は飲み切ってしまったが。」
「大丈夫だよ~しろちゃんが今日新しい茶葉を持ってきたからね~!!」
「しょうがないな~、お茶淹れるくらい私も手伝うわよ!」

空になったマグカップを覗きながらシャルラッハがぼやくと、くろがねがにこにこしながらすずしろに目を向ける。すずしろが無言で紅茶の準備を始めると、アルもそれを手伝おうと後を追う。そうして紅茶とシュークリームの準備が整った、まさにその時だった。

「アークス各員へ緊急連絡。惑星リリーパの採掘基地周辺に、多数のダーカーが集結しつつあります。防衛戦に備えてください。繰り返します…」

突如チームルームに鳴り響く警報アナウンス。えくれあ達も思わず顔を見合わせ、チームルームにざわめきが起こる。

「ふぇっ!?なになにっ!?」
「アナウンスが聞こえません、姉さんお静かに……おや?」

騒ぎ出すエーテルをたしなめるえくれあが、チームルームに入ってくる新たな影に気付いて目を向けた。

「えくれあお嬢様。ダーカーの大軍がリリーパに発生しました。」
「フェデルタさん…今しがた、私達も警報を聞きました。これは一体……」

いつになく真剣な表情のフェデルタに、えくれあも険しい表情で聞き返す。

「詳細は分かりませんが、複数の採掘基地にダーカーの大軍が同時侵攻を開始したようです。僕も先程、ロビーで直接チームへの出撃要請を受け取ってきたところです。」

フェデルタはそう言うと、1通の手紙をえくれあに手渡した。

「Re:Busters単独で、基地一つをまるごと防衛しろと……!?」

手紙の内容に思わず声がうわずるえくれあ。

「父上は、今どちらへ?」
「旦那様は既に別の拠点への応援に出撃しています。旦那様からは『お前のチームは、お前が導きなさい。』と伝言を頂いておりますが……。」
「くっ………!!」

フェデルタの言葉に、えくれあは更に表情を険しくした。

「(充分な応援戦力が見込めるのならばともかく……単独どころか人員が揃っていないこの状況で防衛任務など………!!)」

手紙を握りしめて苦悩するえくれあに、声をかける仲間が2人。

「…えくれあさん。何を迷っているのですか。」
「え…?」
「難しい任務…熱くなるじゃんよー!!やろうよマスター!!」
「すずしろさん、エオリアさん……」

設立後間もなくチームに加入し、現在ではマネージャーまで務める2人の言葉が、えくれあの揺らいだ心に響く。

「わたしたちはさ、えくれあちゃんに付いてくよ……っ!!」

そして姉のエーテルの無邪気で真っ直ぐな言葉が、えくれあの心を突き動かした。

「……始めにお伝えします。今回の任務は、過去になく危険なものとなります…ですから、強制はしません。それでも参加してくださる方は…」

えくれあが言いかけた時、シャルラッハが一歩前に歩み出た。

「見くびってもらっては困るな、えくれあ。」
「シャルラッハさん…!」
「みんな一緒なら…ぼ、ぼくも頑張るよ…!!」
「そうですね。きっと皆さん、リアンと同じ気持ちではないでしょうか?」

シルファナが落ち着いた声で周囲に呼びかける。

「えっ!ああ、うん!!よくわかんないけどがんばろー!!」
「へっ、オレ達に任せときな!!なっ、アル姉?」
「だから私の事もお姉ちゃんって呼びなさいよ!…でもまぁ、ショウちゃんの言う通りね!」
「しろちゃん共々、みんなよろしくね~!!」

フォン、ショウ、アル、くろがね、その場に居る誰もが、えくれあを真っ直ぐに見つめていた。

「良いお仲間に恵まれましたね、えくれあお嬢様。」
「……はい…!!」

えくれあは固く両の手を握り締めた。そして大きく息を吸い込んで、高らかに叫ぶ。

「Re:Busters……出撃します!!」



1時間後、『Re:Busters』一行は惑星リリーパにある採掘基地の1つに到着していた。

「フェデルタさん、現在の進行状況はどうなっていますか?」
「まだ接敵はありませんが…時間の問題ですね。」
「なんとか間に合ったねっ!!」

フェデルタの端末に表示された情報を確認したえくれあとエーテルがほっと胸を撫で下ろした。

「…えくれあさん、今回の防衛作戦の具体的な戦略はどうされますか。」
「そうですね…」

すずしろに問われたえくれあが空を見上げる。

「この状況を見ると、恐らく相当数のダーカーが襲撃してくることが予想されます。闇雲に戦っても物量で押される可能性も高いでしょう。そこで、前衛、中衛、後衛の3グループに分けて対応します。」

えくれあが言いながら手招きをすると、仲間達がえくれあの元に集まってきた。

「まず後衛グループですが、エオリアさん、フォンさん、シルファナさんです。後衛リーダーはエオリアさんにお願いします。」
「っしゃー!!燃えてきたーッ!!」
「はーいがんばります!!」
「分かりました、精一杯やらせていただきます。」

えくれあはここで一呼吸置いて、再び口を開いた。

「続いて中衛グループです。ショウさん、フェデルタさん、そして姉さんです。中衛リーダーはフェデルタさんにお願いします。」
「分かりました、よろしくお願いします。」
「おーっ!!まっかせといて~っ!!」
「っておいおい!?オレ前衛じゃないのかよ!!」

ショウは驚いた様子でえくれあに詰め寄った。

「エオリアさんからワイアードランスの扱いにも覚えがあると聞いています。それに中衛と言ってもダーカー達と接近戦を強いられる可能性も高いはず。姉さんに接近戦を強いるのは危険ですし、そこをフェデルタさんとショウさんで補ってもらうつもりです。」
「なるほどな…それならしょうがねぇな、任せろ!!」

納得が言った様子のショウに一安心したえくれあはそのまま続けた。

「最後に残った皆さんと私が前衛組です。前衛リーダーは総指揮も兼ねて私が務めさせていただきます。」
「ほう、だがよいのか?総指揮を取るのであれば最後方に居る方が都合がいいはずだが。」

シャルラッハに問われたえくれあは僅かに笑みを浮かべて切り返す。

「…自ら身体も張れないチームマスターに、付いていきたくはないでしょう……?」



それから数分後、採掘基地の防衛拠点を囲むような陣形で『Re:Busters』は迫り来るダーカー達を待ち構えていた。

「いよいよだね……」
「恐れることはありませんよ、リアンさん。」
「マスター……?」

恐る恐る聞き返すリアンに、既に《ブランノワール》をその手に構えたえくれあが背中越しに答える。

「守ってみせます、何があっても……!!」
「えくれあお嬢様、敵影接近します!!」

フェデルタの声に全員が身構える。間もなく、近辺を飛行していたダーカー達が一斉に基地に着地し、怒涛の勢いでえくれあ達に向かってきた。

「後衛は遠距離攻撃の準備、前衛は即接敵して殲滅、中衛は飛行ダーカーの動きを警戒してください!!」

真っ先に動いたのは、すずしろとくろがねだ。

「しろちゃんとこうして戦うのも久々だね~!」
「…油断しちゃダメ、クロ姉。」

すずしろの《グレンテッセン》とくろがねの《グリムバラージュ》が炸裂し、先頭で群れていた《ダガン》達がたちまち蒸発する。

「遅れを取る訳にはいかないな、行くぞリアン。」
「ええええええええええ!?」

ダーカーの群れに単身で突っ込んでいくシャルラッハに、半泣きの状態で付いていくリアン。シャルラッハが《ディスパースシュライク》でダーカー達を巻き込み、そこから盛れた数体の《ダガン》をリアンが《ヒエンツバキ》で仕留めていく。しかし、無事に仕留めて気を緩めたリアンに、2体の《ソルザ・ブラーザ》が侵食弾の狙いを定めた。

「うわああああああああああ!?」

《ソルザ・ブラーザ》に気付いたリアンが思わず目を閉じる。しかし、侵食弾がリアンに発射されることはなく、代わりにドサリ、と地面に落ちる音が2回響く。ゆっくり目を見開くと、そこには《ソルザ・ブラーザ》達を軽く屠ったアルとえくれあの姿があった。

「やればできるじゃない!あなたも、私もね!!」
「言ったでしょう…守ってみせる、と。」

一方、その少し後方では、前衛の攻撃をくぐり抜けた《エル・アーダ》達との交戦が始まっていた。

「来ましたね…ショウさん、お願いします。」
「おう、任せとけ!!」

フェデルタの合図でショウが自在槍を空へと伸ばすと、捕らわれた《エル・アーダ》達が次々に地面に叩き落されていく。

「すごいねショウくんっ!!わたしもがんばるよーっ!!」

横ではエーテルが《ペネトレイトアロウ》を空に向けて乱射していた。半数ほどは的を外していたものの、それでも数体の《エル・アーダ》を撃ち落としていた。

「制圧せよ…シフトピリオド。」

地に落ちた《エル・アーダ》達は残らずフェデルタの《シフトピリオド》によって止めを刺されていった。それでも倒しきれない数体が、拠点の方へと飛び込んでいく。

「やっと私の出番!!」
「っしゃー!!燃え燃えきゅーん!」
「私達の出番は無い方がいいのですが…仕方ありませんね。」

嬉々としてダーカーを待ち構えるフォンとエオリア、そしてあくまで冷静に戦況を捉えていたシルファナの3人が、一斉にダーカーに向けて的を絞る。

「フォイエ!!」
「ワンポイント!!と見せかけて、ピアッシングシェル!!」
「…ラ・グランツ。」

《エル・アーダ》達の決死の特攻も虚しく、フォン、エオリア、シルファナの一斉攻撃によって襲撃してきたダーカー達は1体と残らず死滅していった。



「やったねぇーっ!!」
「…今のは恐らく第一次攻撃隊、と言ったところでしょう。現に、上空のダーカー達の勢いは衰える気配がありません。」

ダーカー達の最初の侵攻を阻止してはしゃぐエーテルだったが、えくれあはまだ上空を見上げて険しい表情を浮かべていた。

「…どうやらそのようですね。また来ますよ。」
「っしゃー!!また蹴散らしてやろうじゃん!!」

すずしろが遠くを見ながら腰の抜剣に手を掛けた。エオリアも長銃に特殊弾《ウィークバレット》を装填して不敵に笑う。やがて、第二陣となるダーカーの群れが基地に舞い降りてきた。

「随分とご大層になったものだな。」
「うえぇ、あんなのどうするの…?」

シャルラッハとリアンも抜剣に手を添えて身構える。先程以上の数で押し寄せてきたダーカー達の群れの中心には《グワナーダ》、《デコル・マリューダ》、《ウォルカーダ》らの中型ダーカーも混じっていた。

「…前衛は先程同様雑魚を殲滅しながらデコル・マリューダに対処します。中衛はウォルガーダ、後衛はグワナーダの処理に専念してください…!!」

指示を出した瞬間、えくれあが弾かれるように前方へ駆け出した。

「(まずは敵の数を…!)ディスパースシュライク…!!」

ダーカー達に真正面から突っ込んだえくれあは《ディスパースシュライク》で小型ダーカー達をまとめて斬り裂いていく。数体を屠る事に成功したものの、圧倒的な物量で攻め入るダーカー達はえくれあの攻撃を掻い潜り、なおも拠点へと飛び込んでいく。

「チッ…スターリングフォール。」

先程の倍はあろうかという敵勢の勢いに舌打ちをしながら、シャルラッハも《スターリングフォール》で殲滅を試みる。その横ではすずしろとくろがねも小型ダーカーの群れに舌を巻いていた。

「ちょっと多過ぎるね~」
「いきなりこれだけ勢力を上げてくるとは…先程の連中は小手調べということでしょうか。」

すずしろの《カンランキキョウ》とくろがねの《シフトピリオド》も多くのダーカーを捉えて仕留めていくが、余りの多さに次々と侵攻を許してしまう。

「それっ!!うわぁっ…えいっ!!」
「……リアンくん、危ない!!」

《ダガン》の群れに必死にカタナを振るリアン。しかし、必死すぎるが故に背後に迫る《デコル・マリューダ》の危機に気付かない。襲われる寸前、誰かがリアンを突き飛ばした。

「きゃあああああ!!!」
「アルさん!?」

咄嗟にリアンを庇って身代わりになったアルが《デコル・マリューダ》に捕らわれ、激しい電撃を浴びせられて絶叫する。

「アル姉!?」
「ショウさん、戦線を崩してはいけません。目の前の敵に集中を…!!」
「でもよぉ…ってうわぁ!?」
「ショウくんっ!!届いて、レスタっ!!」

アルの叫びを耳にしたショウが、対峙した《ウォルガーダ》から逸した。それを見逃さない《ウォルカーダ》がショウを突き飛ばし、それを見たエーテルが取り巻きの《サイクロネーダ》達を放り出して《レスタ》を放った。

「まずい…!!シャルラッハさん!!」
「ちっ…!!」

えくれあの指示でシャルラッハが素早く《デコル・マリューダ》の元へ向かう。《ヘブンリーカイト》で斬り付けると、たまらずアルを解放した《デコル・マリューダ》。

「ええええええええいっ!!」

そこへリアンの《グレンテッセン》が命中し、胴体を全て破壊された《デコル・マリューダ》が一瞬ふらついた。

「はああああああああ!!!!」

アルもお返しと言わんばかりの《ツイスターフォール》を叩き込み、《デコル・マリューダ》を撃破した。

「アル、大丈夫か。」
「ありがとシャルラッハさん…何とか大丈夫よ。」
「ごめんねアルさん、僕のせいで…」
「ううん、大丈夫よ。気にしないでいいわ。」

直ぐ様アルに駆け寄るシャルラッハとリアン。遅れてえくれあもやってきた。

「ご無事で何よりです、判断が遅れて申し訳ありません。」
「えくれあが気にすること無いわよ。でも、結構雑魚を逃がしちゃったわね…。」
「えぇ、ですから私は中衛に混ざって応戦します。皆さんも少し休んでから戦線復帰してください。」

それだけ言い残し、えくれあはダーカーの群れを追って走っていった。

「ちくしょう…油断したぜ……」
「支えて…ザンバースっ!!」
「貫け、サテライトエイム。」

負傷したショウを庇いながら、中衛ではエーテルとフェデルタが《ウォルガーダ》と決死の攻防戦を繰り広げていた。

「この前の遺跡では辛酸を舐める結果となりましたが…。」
「同じようには、いかないんだからねっ!!」

エーテルが力を込めて《ウォルガーダ》の顔面を殴打する。思わず怯んだところに、フェデルタの《デッドアプローチ》も直撃し、大きく後ろに仰け反った。

「…っしゃ、さっきのお返しだ!!食らえ…!?」

何とか持ち直したショウが反撃に出ようとした時、前方から侵攻してきた《ダガン》達が一斉にショウに襲い掛かる。

「ショウくんっ!?」
「おのれ、間に合いませんか…!?」

エーテルとフェデルタも援護に回ろうとするが間に合わない。《ダガン》達がショウを捉えようとした瞬間、2本の刃が閃き、《ダガン》達は一瞬で消滅した。

「間に合った…ショウさん、頼みます…!!」
「えくれあ!!へへ、助かったぜ…!!」

辛うじて援護に間に合ったえくれあとすれ違うようにして、ショウは勢いよく《ウォルガーダ》へと突っ込んでいく。そして武器をデュアルブレードに持ち替え、全力で振り抜いた。

「食らえ、ジャスティスクロウ!!」

六芒星から閃光が《ウォルガーダ》を貫いた。苦しそうな断末魔を残して、《ウォルガーダ》は消滅していった。

「うわわ、すっごい数!?」
「押され気味ですね…。」
「まだまだ、ここで食い止めるっしょ!!」

先刻とは比にならない負担に顔をしかめるフォンとシルファナを鼓舞し、エオリアは地中から飛び出た《グワナーダ》の頭部に《ウィークバレット》を命中させる。

「雑魚は私とフォンさんで何とかします。エオリアさんは…」
「ふっふっふ!!あのクワガタちゃんは私の獲物だー!!」

エオリアは言うなり腰の双機銃に持ち替えて走り出す。シルファナとフォンは互いに背中合わせで長杖を構えた。

「「ラ・フォイエ!!」」

2人が発生させた爆発が、迫り来る無数のダーカー達を次々吹き飛ばしていく。その爆発をかわしながら《グワナーダ》の元へ辿り付いたエオリアは、地面を蹴って大きく飛び上がった。

「バレットスコールーっ!!」

《グワナーダ》の頭部を蹴りつけたエオリアは、そのまま真上からありったけの銃弾を頭部に撃ち込んだ。猛攻を受けた《グワナーダ》は、たまらず腹部のコアを晒して仰け反った。

「かーらーのーっ、ヒールスタッブ!!」

更にエオリアがコアに向けて渾身の踵落としを放つと、ついに力尽きた《グワナーダ》はぐったりと地面に倒れ伏した。それを見た残りのダーカー達は、突然踵を返して拠点から去っていく。瞬く間に、ダーカー達の第二陣は採掘基地から消え去っていった。